【コナミと小島秀夫監督の確執】50年以上前にもあったトップクリエイターと経営陣の対立

      2016/10/18

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『Metal Gear Soild V The Phantom pain』の発売前にコナミとの確執が話題になっている小島秀夫監督。
経営陣との折り合いがつかなくなったのは発売時期の延期による制作費の増大と言われています。
(8月3日の日経電子版では開発費に100億円を費やしたとのこと)
 
コジマプロダクション閉鎖となった3月に経営陣は巨額の開発費がかかるコンシューマーゲームから利益率の高いスマホゲームへのシフト変更を打ち出しています。
採算よりクオリティにこだわる小島監督と収益面でゆずれない経営陣が対立したわけですね。

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50年以上前にもトップクリエイターと経営対立はあった!

実はこのクリエイター・経営陣との対立は過去にも同様のケースがありました。『七人の侍』を生み出した黒澤明監督も1959年に当時、所属していた東宝経営陣との確執の末に黒澤プロダクション設立に至っています。
 
この確執の要因はコナミと小島監督と全く同じ、制作費・期間・収益面で折り合いがつかなかったことによるものです。
(黒澤監督の場合のプロダクションは東宝と制作費のリスクを折半できるような形態でコジプロより条件が厳しいものでした)
 
その後、黒澤明監督はプロダクション設立後に『用心棒』『天国と地獄』『赤ひげ』などの名作を送り出し、やがて海外進出の話も持ち上がり東宝から完全独立となります。
しかし、当時の映画業界はテレビ普及による衰退し始めた時期。現在のゲーム業界でいうとスマホゲームの躍進によるコンシューマーゲームの衰退と同じですね。
 

独立後の黒澤監督が歩んだ苦難の道

完全独立後の黒澤監督は海外進出となる『暴走機関車』で企画の頓挫。続く日米合作『トラトラトラ』での監督降板と苦難の時代に入ります。
 
自宅を担保に資金調達までした『どですかでん』を撮影公開するも興行的に失敗。そして自殺未遂事件を引き起こします。
その後、ソ連からの招聘で『デルスウザーラ』で復活の兆しを掴み、ゴッドファーザー監督のコッポラ氏などの協力を経て資金集めを行い『影武者』などの制作に進んでいきます。
 
作品公開のペースが落ちたことを考えれば、多少なりとも独立後は資金集めに労力が割かれたのは事実としてあったと思います。
 
今後の小島監督の選択肢はゲーム制作に留まることを前提にすれば、
①現状の環境で制作を続ける。
②資金・出資者を集め独立。
③海外メーカーからのオファーに応じる。
 
この3つの選択肢が考えられます。クリエイターにとって制作環境の変化は作品への影響は大きく、特にメタルギアの権利がコナミにあるため小島監督は環境もタイトルも新しいもので挑戦となります。
 

ファンの怒りの根源は経営陣の安易な切り捨てだと思う

時を同じく『桃太郎電鉄』のクリエイターさくまあきら氏もコナミとの確執を明かしています。
 
今回の騒動でファンの怒りの根源は、「ブランドコンテンツの活用をせず安易に切り捨てたこと」にあるのではないでしょうか。
これがもし、ソフトパワーを侮らなかった任天堂の経営陣であれば、このような状況には至ってなかったのではと思います。
 
任天堂の社長だった故・山内溥氏がソフトウェアについて残した「楽しさと面白さを模索し続けていくだけだ」の言葉。
それはファンに楽しんでもらった先の収益を前提として語られています。
 
80年代からゲーム制作の最前線で戦ってきた小島監督も同じ気持ちでファンに向けて制作されているのではないでしょうか。
 
任天堂が販売しているamiboはゲーム業界でなんとか1タイトルの収益を高める為の施策だと思うんです。
 
企業理念を守りながらファンに面白いものを提供する任天堂の姿をファンは見ているからこそ、今回のコナミ経営陣の場当たり的な施策に怒りを抱いたのでしょう。
 
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